CSRレポートのココに注目 2012 ~従業員ページ編~

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CSRレポートの注目ポイントを紹介する「CSRレポートのココに注目!」。2回目(前回は2011年発行「CARECO Vol.3」に掲載。Webページはこちら)となる今回は、学生アンケートの声でも多かった「従業員」のページに焦点を当てる。従業員ページでは、雇用に関することをはじめ、労働安全衛生、人材育成、多様性(ダイバーシティ)、ワーク・ライフ・バランスなどにかかわる取り組みやデータが開示されている。

今回はこれらのカテゴリーから下記5つの項目を取り上げ、編集部が独自に各企業の報告状況を比較してみた。

1人材育成・研修制度、2女性の活躍支援、3育児・介護、4福利厚生、5時間外労働の管理


人材育成・研修制度

田辺三菱製薬

ローテーションシステム、目標管理制度、研修プログラムの3つの視点から、社員が能力を最大限に発揮できるようサポートしている。2011年度からは、次世代リーダー育成プログラムやグローバル人材育成プログラムがスタート。人材の採用から育成を一貫して行うため、「人材育成部」を発足させている。

デイリーヤマザキ

入社から3年目までの間に、社員が自ら考え実行し、責任を持ってやり遂げる力を身につけられるよう定期的にフォロー研修を実施している。入社後すぐに直営店勤務となるため、社員が孤立感や疎外感を抱かないようきめ細かくフォロー研修を行っており、離職率の改善に貢献している。

マツダ

開発から生産までの知識と経験を備えたエンジニアを育成し、次世代商品の開発力を高めることを目的に、生産部門の技術系新入社員全員を開発部門に約3年間配属する人材育成プログラムを2008年から実施している。


女性の活躍支援

熊谷組

多様な人材による新しい価値、幅広くかつ高い質の労働力の確保、女性が活躍することで生まれる生産性の向上などを目的とした「ポジティブアクション」を推進している。女性の新卒採用の比率が2006年度の19%から、2011年度は35%に上昇。女性管理職は現在6名在籍している。

中外製薬

性別や年齢、国籍も含め、多様な価値観を持った従業員一人ひとりが生き生きと働き、新しい価値を生み出すための「ダイバーシティの推進」を経営の重要課題と位置づけている。最も身近な「性別による多様性:ジェンダー・ダイバーシティ」の推進から取り組みを開始。社長をオーナーとしたマネジメントワーキングチームを結成し、意識調査結果の共有や議論を重ねたり、フォーラムを開催したりしている。

プリマハム

商品の企画・開発、営業、品質管理部門など、女性が活躍している職場が多々あり、2012年度は5名の女性従業員が現場の中核となる係長に昇進している。


育児・介護

セイコーインスツル

仕事と家庭生活との両立を支援するためのさまざまな制度を導入し、継続的に制度の充実を図っている。特に介護休職制度は、対象家族のうち一人は3年間の休職を取得することができる制度にしている。2010年10月からは時間単位休暇制度を導入し、より柔軟な働き方を可能にしている。

戸田建設

子どもを養育する社員が、仕事と育児を両立できるように、育児制度の拡充と利用促進に努めている。短時間勤務制度は、2008年度に4歳未満の子を持つ社員を対象として育児短時間勤務制度を導入。2010年6月からは、最長期間が法定を上回る「小学校3年生修了まで」取得可能とし、2011年度は13名が利用した。

YKKグループ

子育てをしながら長期的なキャリア形成ができるよう、さまざまな制度を設定している。最長で子どもが2歳の誕生日まで利用できる育児休業制度は、年間277名が利用。短時間勤務と時差勤務の対象を小学校低学年の長期休暇中に拡大するなど、継続的な制度・環境づくりに取り組んでいる。


福利厚生

東京エレクトロン

勤続10年、15年、20年、25年の節目に、2週間~1カ月の休暇を取得できるリフレッシュ休暇制度を設けている。

東京応化工業

私傷病の療養により欠勤を余儀なくされた社員について、短期・長期・特別長期の三区分に応じて賃金を補償する療養補償制度を導入している。また、私傷病により1カ月以上連続して休んでいた者が、無理なく職場に復帰できるよう勤務時間を短縮できる、ならし勤務制度を設けている。

ミネベア

従業員がリフレッシュを図れるよう、勤続30年の従業員とその家族をアジア(タイ、中国・上海、シンガポールのうち1カ国)旅行に招待する制度を設けている。利用者は年々増加しており、2011年度は21名が取得した。


時間外労働の管理

コベルコシステム

3T(楽しい、短時間、達成感)職場の実現に向け、2011年4月からノー残業デーの全社展開を開始。過去にも人事部門が中心となって推進していたが、かけ声だけで形骸化し長続きしなかった経緯を踏まえ、認知度の向上、運用面での工夫、定着に向けたしかけを実施し、制度が形骸化しないように取り組んでいる。

日本ハム

人事労務管理責任者会議において、グループ各社ごとに任命された労働時間改善責任者が、労働時間管理のポイント、過重労働とメンタルヘルス対策などについて学習し、働く環境の向上に努めている。

ポリプラスチックス

社員の心身の健康を守るため、時間外労働時間の管理を徹底している。過度な時間外労働を防止するとともに、一定の時間を超えた社員に対し、産業医などによる問診を義務付けている。

※レビューした企業は、エコほっとライン企業一覧の中から無作為に抽出しています。
※レビューの範囲は2012年度に発行された冊子での報告のみを対象としています。
※レビューに対する問い合わせには応じられませんので、悪しからずご了承ください。
※五十音順/敬称略

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